海外に住んでいて、日本語の能力、特に漢字の能力や国語力を、日本にいる子供たちと同じレベルで保とうとすれば、相当の覚悟が必要となります。
両親の片方が日本人、もしくは両親とも日本人でも、現地で現地語を話し、現地の学校に行きはじめ、お友達がたくさんできて、そこの暮らしになじめばなじむほど、書いたり説明したりする能力が衰えてくるのはしょうがないことです。ましてや、日本に暮らしている日本人の子供たちは、1、2年生で週に9時間、3,4年生で週に7時間、5,6年生で週に5時間と国語を学ぶので、海外での補習校で1週間に2,5時間くらい学ぶのでは、差が出るのはしょうがありませんよね。
海外で暮らし、自分の子供を育ててきて思うことは、
「すこしだけでもいいから、定期的に日本語を、私以外の人と話す機会があったらな」
ということです。
うちの場合は、子供が4人いたため、一人手を離れると次の子の面倒をみていたことで、補習校に行かせようとすら思えなかったこと。子供が小さい当時は田舎に住んでいて、今のようにソーシャルネットもなかった時代だったので、すっかり日本語生活とははなれてしまったからです。
私の子供たちは、語学的にも、メンタル的にも90パーセント、イギリス人になってしまったのですが(それでもいいですが。。)
せめて、完璧に日本語でやり取りができなくても、日本語能力や、日本語にまつわる文化は継承してほしいな、、と常に思って色々なことを話しましたが、大きくなるにつれて親の言うことなどきいてもくれなくなるのですよね。。
だから、
手頃な金額で、定期的に日本語が使える場、日本の文化を学ぶ場所を作りたいと思ったのです。
最初は、日本人コミュニティ―もなく日本語を使う機会もなく、補習校に行きたいのにいけないような子供たちのための補習校を作ろうと思っていました。
でも、よくよく考えていくと、私の作りたいのは、
「私のようなうちの子供たち」
つまり、、日本語を話すことに、興味がないわけではないけれども、使う機会もないし、そのうちにどんどんさびついてしまった。。。。
という子供たちのためにクラスが作りたいのだと思ったのです。
そんなときに継承語日本語という学習方法があることを知りました。
継承語とは
継承語とは、親から受け継いだ言葉のことです。
たとえば、母国語というのは、生まれたときから使っていて今でも使える言葉だとします。
でも、生まれたときに、母国語として使っていた言葉でも、学校に行く年頃になると現地で話されている言葉の方が使う頻度が高くなり、現地で使う言葉が生活で使う言葉になります。
そうすると、今まで使っていた母国語の使う頻度が少なくなり、母国語でなくなるわけではないのですが、生活するのには現地語の方が強くなっていきます。
それで、補習校に行ってもなかなかついていけなくなったり、つまらなくなってしまい、ますます母国語を話さなくなり、話せなくなってしまうのです。
親の立場からしてみると、
「なんとかしなくちゃ」とおもい、一生懸命日本語で話しかけたり、補習校に行かせようとするのですが、
もともと補習校というのは、
「日本に帰る子ども達が、日本の学校についていけるようにする」ことが目的の、「国語」教育をする場所なので、現地で生活して、そのまま現地で生活をするつもりの子供たちにとって見たら、例えばですが、イギリス人の子供たちがいきなりラテン語を習うようなものだとおもうのです。(あくまでたとえですが)
もちろん、補習校の国語の勉強について行けるお子様もたくさんいらっしゃいますので、「国語」の勉強をしに行くつもりで、日本に帰って日本で高等教育を受けようと思っている場合は、補習校がとても役に立つと思います。
ただ、、国語と、日本語教育は違うのですね。。そして、、日本語をバックグラウンドに持っている子供たちに、日本語を何も知らない外国人の子供たちと同じことを教えるのも違うのですね。
そこで、
年齢にあった国語の教科書や教材を使いながら、日本の文化、歴史、伝統行事、様々な日本古来の遊びを取り入れながら、日本に興味を持ち、自分から勉強したいなと思えるような授業、そして、長く細々と日本語に触れる機会を作り日本語を話すことが苦痛でなくなるような授業を進める授業を作ろうと思ったのです。それが継承日本語教育だと思っています。
継承語日本語を学ぶのはこんなお子様が適しています。
1.親の仕事の都合で、外国に来て、もともと日本語を話していたのに、外国生活が長くなり現地語が強くなった例(日本語は母国語だけども、現地語は流暢に話せても母国語ではない)
2.どちらか片方の親が日本人で、小さい時に親が日本語を話していたのに、だんだん現地語の方が強くなり、現地語もどちらも母国語の例
3.国語を勉強するというよりも、日本の文化や伝統行事を勉強したり、友達と日本語を使って遊んでみたい.
Learn Japanの継承語日本語教室では、ご家庭にいてもプロで経験豊かな先生に学べるクラス
があります。
①ドイツシュタイナー幼稚園の現役の先生と遊びながら学ぶ幼児クラス
②日本語と英語教師の資格を持つ継承語教育のプロに学ぶ、
日本語よりも現地語の方が得意な子供達の種火クラス。
(年齢や日本語能力によって種火1、2、3とクラスが3つあります。)
③小学校の先生から、継承語というよりも、国語の教科書を使いながら楽しく日本の教科書で
学びたい人の向けクラス。あおぞら+たんぽぽクラス
幼児クラス | 火曜日 | 午後4時(イギリス時間),午後5時(ヨーロッパ時間) |
種火クラス | 火曜日、木曜日、金曜日 | 詳細はこちらからご確認ください。 |
あおぞら+たんぽぽクラス | 月、火曜日 | 詳細は左クラスのリンク先からご確認ください。 |
料金…明見先生の幼児クラス(40分授業) 月£55 (+ペイパル手数料)
料金…継承語種火1,2,3日本語クラス 月£60-65 (+ペイパル手数料)
料金…涼子先生の教科書を使った1、2年生教室 月£70(+ペイパル手数料)
オプション
外部の先生による素読教室、漢字クラス
人数が集まらない場合は、個人レッスンも承っています。
こちらも、教科書に沿って日本語を学ぶのではなく、お子様の好きなものや興味のあるものを中心に、楽しく授業をしていきます。
料金…£120 月4回(幼児―小学生、中学生)(+ペイパル手数料)